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その日の三冬
勝負 勝負
池波 正太郎 (2003/01)
新潮社
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  剣客商売 11 勝負 の中というより、全部のなかでこれが

 いちばん好きかもしれない。

  生まれつきの顔ゆえに、暗い人生を生きなければならなかった
 
 男にかける、妾腹の三冬の思いやりも届かず、逐電、

 再会したときは、落ちぶれはて、追われる身の岩田勘助。

  
  健康な三冬は、産後20日で買い物にでる。

  本性寺に詣でたばかりに、事件にあうのだが、このどこに行った、

 あっちに回ったという、偶然が、なにかに遭遇するのです。

  たら、れば、といいますが、いまの今やはり一瞬の油断が事故に

 つながることを思えば、めにみえないなにかが、働いておるの

 でしょうか。

  
  この偶然や、みかけで人を判断する人間のおろかさが、

 池波氏のおおきなテーマになっているようにおもいます。



  帰宅して、事件の様子を聞かせる夫に、ふりむかぬ三冬。

  炊事の匂いもなく、向こうをむいたままの妻。

  苛立つ大治郎に、振り向いた三冬の両眼から、ふつふつと

 ふきこぼれるあついもの。圧巻である。




  一度よんでみてくださいませ、おすすめいたします。



  


  
【2006/10/15 06:58 】 |  映画  音楽 芝居 文楽  | コメント(2) | トラックバック(0) |
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